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1 失われし永久のGloria
2 静かな月夜のセレナーデ
3 虚空の庭園
4 黒い影
5 空の城
6 Loa
7 混沌
8 真夜中に踊る民
9 見えぬ敵
10 渦巻く邪気
11 空虚
12 闇夜のワルツ
13 暗黒
14 さびた鏡
15 冥府の業火
16 Sale marino+
17 闇の奏でるメヌエット
18 星-乖離-霊
19 失われし永久のGloria -Angelus-
20 風と光と命の祈り


初出:2007/10/8 品番:AFI03 仕様:フルパッケージCD-R/全曲インスト 販売:在庫あり

クロスフェードデモはこちら DL

降り立った街で少女達が見かけたのは、多くの人々でにぎわう割には枯れて寂れた街。
数えきれないくらいの民や旅人達が行き交っているが、拭えない不信感、奇妙な空気。

そんな中、メリル達は生気にあふれた人物と出会う。祈祷師見習いのルフレアだった。
世界中を放浪しているらしく、所持している数珠がお祓いをすべき場所まで案内してくれるという。
その行き着いた先がこのストレイリアの首都。
「この街は誰もいない、どこに行ったんだろう?」
それがルフレアの言葉だった。じゃあ、今ここでざわめいている人々は一体?
民が見える者、見えない者。訪れたストレイリアは謎に満ちた国だった。

ある日、庭園で一人の女性と遭遇。彼女の名はアンジェラ、この国の王女だった。
ストレイリア首都は一月ほど前に何者かに襲撃され、ほとんどの国民が体を奪われ魂だけになり
いまだに成仏できず彷徨っている事と、女王だけ魂と体どちらも奪われ消えてしまったという事だった。
メリルやイライアスはアンジェラと会話が出来るが、マーレットは姿しか見ることが出来ず、ルフレアは姿も見えなければ声すら聞こえない。
奇妙な存在の正体は、国民達の魂だったのだ。
アンジェラ以外、民は皆自分が死んで魂になっている事に気づいていない、と言う話だった。

ところが、ざわめきの無くなったはずの枯れた城に響く不気味な笑い声。
この不気味な城で唯一死していない者と、メリル達は出会う。
現れた女性ルズリアとは、一体何者なのか?
少女達の新たなる戦いが、再び幕を開ける。

登場人物

メリル
運命に導かれながら星を旅する少女
三度の飯も暴れることも大好き
マーレット
メリルとともに旅をする少女
よく食べよく眠りよく育つ
イライアス
みんなをサポートする少年
いつもにこにこ微笑んでいる
キュベル
ファリスター教団の神官
幼いながらもがんばっている
ルフレア
ストレイリアで出会った旅の祈祷師
何と霊を見ることが出来ない
アンジェラ
ストレイリアの王女
庭園で花の世話をしている

イラスト:深瀬アヤカ


1 失われし永久のGloria

ゆらぐ鈴の奏でる 静かな音木霊する
花咲き乱れる 失われし枯城

音のない虚無の空には 鳥の声
川べりに佇めば光り揺れ きらきら
静寂の 空霞む

風を切り 走りゆく道の果て そこに声は響かない
誰もいないこの街にはただ 花咲き散る


2 静かな月夜のセレナーデ

緑覆い茂る豊かな大地。
月夜の晩に降り立った地は、静かに眠りの中にとけ込んでいた。
揺らめく泉、流れる川、こだまする夜鳥のさえずり。
少女達が歩く先にあるのは、白い月と大きな城の建つ町並みだった。 静かな月夜のセレナーデ by Una_Nave_ST

3 虚空の庭園

多くの人々にあふれる、街の通り。
美しい装飾のなされた白壁の建物、花の咲き乱れる街路樹、時折風に乗って運ばれる甘い香り。
暖かな日差しに照らされた街は、何故か静かだった。
人々は会話を楽しみ市場に並ぶ作物を見ているようだが、誰も手にとろうとはしないし、何より作物は乾涸びていた。
そんな中出会う、旅の祈祷師ルフレア。その目にうつるこの街は、無人の街。
メリルには人々が見えるが、ルフレアには見えない。
不思議に思った少女達は、ともにこの街を歩くことにした。

ひたすら歩けど、やはり状況は変わらない。
通りの奥にある広い庭園に行き着いた少女達は、甘い香りに包まれ一人佇む、どこか物寂しそうな女性を見つけた。


4 黒い影

突如現れた不穏な空気、そして影。
影は人々の中に潜み、疾風のように去って行った。
一瞬のすれ違いだというのに、強い負力を感じさせる不気味な影だった。

5 空の城

ストレイリア王女アンジェラに誘われるがまま足を運んだ、王城。
美しく荘厳なその建物も、どこか憂いを感じさせる佇まい。
アンジェラが重々しい雰囲気で、そっと言った。
「一月ほど前に何者かに襲撃され、ほとんどの民が体を奪われ魂だけになり、死んだことに気づかず暮らしています 」
彼女は、その瞬間を見てしまった。人々が肉体を奪われ、魂だけになってしまう瞬間を。
母である女王は、肉体だけならぬ魂まで奪われてしまったという話だった。
街で生活を営んでいる生気のない人々は、命を奪われた魂だったのである。

6 Loa

 おびただしい数の霊と、それに混じるいくつかの不穏な影。
風の音以外聞こえない静かな空間を闊歩する、異様な空気。
霊と影しかいない王城をアンジェラに案内されながら歩く。


7 混沌

夜になると、城に多くの霊達が詰め寄せてきた。
吹き荒れる風の流れの中、何事かと少女達は驚いた。
右も左も自分たちが死んでいることに気づいていない霊達。

8 真夜中に踊る民

霊と影による奇妙な宴。
城の中央庭園に集まった己の死を知らぬ者達は、輪になって歌い、踊り始めた。
突如発生する強烈な負力に、少女達は驚く。
アンジェラは静かにその様子を物陰から伺っていた。

9 見えぬ敵

この宴は一体誰が何のために?
突然ルフレアが首にかけた数珠・オルデンが光り始める。
「何も見えないから、何が起こっているか分からないよ。でもオルデンがこうだからきっと」
何者かの襲撃とは?
アンジェラの話を思い出した少女達は、戦いの気配を感じ取った。


10 渦巻く邪気

宴によって産まれた負力が集い、蓄積される。
世界をゆがめるその力は、人々によって生み出され、再び人々を包み込み広がっていく。

11 空虚

 宴も終わり、再び静かな時間が訪れた。
「あの事件以来、多くの人々がお城に来るようになり、毎晩こうして歌って踊っています」
アンジェラはうつむきがちに、おかげで寂しくはない、と言った。
霊を見ることが出来て会話も可能なメリルが様々な霊から話を聞く。
霊達は皆死んでいることに気づいていないため、怨霊の類いではないと判断できた。
しかし、その霊達が強力な負力を生み出しているのも事実だった、あの宴で。


12 闇夜のワルツ

静かなはずの城に響く、1つの声。
どうやらその姿は、霊ではないらしい。
「やっと生きてる人と出会えたのかな?」
黒く長いドレスを纏った女性は明かりのない広間からこちらに向かってくる。


13 暗黒

アンジェラはその女性を見ると、後ずさりをした。
「まだ、いるんですか……?」
その問いかけに女性は答える。立ち去る気はない、と。
不穏な空気を感じ取った少女達は戦いかと身構えるが、アンジェラによって静止される。


14 さびた鏡

「申し遅れたわ、私はルズリア、新たにこの国の女王になる者よ」
女性が名を告げてくる。
「国を返して、国民を返して、お母様を、みんなを返して!」
アンジェラが彼女に詰め寄るものの、当然体を通り抜けてしまう。
突然の事。ある日何の前触れもなく、国は流れている時を止めた。
人々は全て体を奪われ、空虚の都市と化してしまった。
それが、このルズリアという女性にあるとアンジェラは言う。


15 冥府の業火

「みんなもう体はないのよ? 失ったものは戻らない、死を知らぬ魂として擬似的に生き続け、全て私のために仕えなさい」
そうルズリアが言うと、彼女の周りにわらわらと影達が集い、闇より濃い空間が広がった。


16 Sale marino+

影は負力を身に纏っていた。
近くにいた少女の影に話しかけると、悔しそうな顔で友達にいじめられていると、それだけ言って黙ってしまった。
他の影達も恨みや苦しみを抱いていた。
その思いは、あまりにも強かった。


17 闇の奏でるメヌエット

「ここに集まった霊達は、生きている頃の苦痛が特に強かった者の魂。いずれ負の感情が魂を蝕んでしまうわ」
濃く、空をも塗りつぶしてしまいそうなくらい黒い影達。
そのおぞましい負力の存在は、メリル達は決心させた。
邪は、断たねばならないと。


18 星-乖離-霊

それまでまだ影化していなかったはずの霊達まで負力を纏い、庭園に集い始めた。
どす黒い気流が渦巻き、空間を染め上げる。
「あなたた達は私の邪魔をするのね? ならば彼らと同じ影になって永遠にこの地に縛られればいい」
メリル達は影と、ルズリアと向かい合い、戦った。
渦巻く邪念を星の祈りで浄化し、世界の涙で洗い流す。
少女達の祈りは、ストレイリアという国の首都の、じんわりと蝕む負のフォノグラフを断ち切った。


19 失われし永久のGloria -Angelus-

静けさの戻った、清らかになったストレイリア城。
しかしそこに生きた者達は、消え失せてしまった。
人々の記憶も、思いも、全て邪に浸蝕されてしまい、星の祈りの力によって消えてしまった。
霊達は自らの死を認め、空へ帰る事を望み、地をたった。
「みなさん、ありがとうございます。私たちは本来ここに居続けてはいけない存在、いるべきところへ向かいます」
いつもはもの悲しそうな表情だったアンジェラも、天に帰る時は晴れやかな笑顔だった。


20風と光と命の祈り

いつか夢に見た日 それは春の庭優しい風
暖かい日射しに 包まれて眠る安らかに

夢が覚めて 目を覚ましたら
変わり果てた この世界
朽ちた薔薇枯れた百合 はびこるつるつた

私はいない この城と共に果て朽ちた
それでも心はここにあるでしょう 

あなたと共に歩く 回廊は花で溢れていた
誰もいない庭に 芽吹くのは命 小さな花

命終えて 還りゆくのは
空の向こう天の果て
魂は空へ向かい 星となり光る

私は大地 この地に生まれ命燃やした
それでも心はずっと生きるでしょう

Fatalita Aletta Lotta.3作目は、これまでの1,2とは違ってストーリーがある上での曲作りになりました。
そのためBGM調の曲が多く、トラック数も前回より増え、主題歌とエンディングが付きました。
イラストもこれまでと違い自分で準備せず、深瀬アヤカさんに描いていただきました。
夜の廃城で繰り広げられる物語なので、ほぼ単調の曲ばかりです。
曲からストーリーや雰囲気を読み取っていただければ幸いです。

Composed & Arranged & Design &Produced
Una

Vocal
結月そら(Tr1,Tr20

Mix
Sigh(Tr1