Fatalita Aletta Lotta.1

1 空の翼 -Una iride-
2 せせらぎの街
3 ルーク学術施設群
4 Veglia/Nottambulo
5 夜舞蝶
6 LuminaSelema
7 Feltirita
8 夜の草原
9 Vento divino.
10 DarkMist. Ibris the Runa.
11 La euforia di allora.
12 黄昏爽籟 試聴あり

初出:2005/8/20~2008/3/9 品番:AFI01* 仕様:フルパッケージCD-R/全曲インスト 販売:終了・在庫なし

クロスフェードデモはこちら DL(11.3MB

失われた平穏な日々 は、もう戻らない。
平和な街で暮らす一人の少女が、星の記憶に導かれ世界へと旅立つ物語。
出会いと別れ、希望と絶望、喜びも悲しみも全てを受け入れ
成長した少女を迎える終末は、果たしてどうなる──

登場人物

メリル

ひょんなことから旅立つことになった少女。
活発で元気で暴れるのが大好き。

イラスト:ゆんねこ


1 空の翼 -Una iride-

失った静かな日々は記憶の彼方へ
忘れ去られて始まる運命の旅立ち

この手に息づく光1つ握りしめて戦う
世界のすべてから呼び起こす力は奇跡の力

駆ける草原に訪れるのは
 黄昏の闇銀の風 
今宵地を照らせ 星の光よ

2 せせらぎの街

今日は卒業式。
天高く澄み渡る青空に、そよぐ風。
ずいぶんと西の空へと傾いた陽を遠く眺めながら馳せる、たくさんの思い出。
楽しかった日々。数えきれないほどの出来事や行事。それとともに成長した自分。
今日の夜は、お祭り騒ぎが大好きなクラスメイト達が計画した、卒業パーティーが行われる予定。
場所は学園都市のはずれにあるクラスメイトのシルヴァーナのお家がやってる酒場。
安くて多人数にも対応できるため、学園の生徒に人気のあるお店だった。
待ち合わせの時間を確認し合い、また後で、と手を振って家路へとつく。

3 ルーク学術施設群

取り敢えず、夜でも様々な研究が盛んに行われているルーク学術施設群に行ってみる事にした。
 石畳の通路を歩いて行くと、多くの研究員達とすれ違う。
夜中だと言うのに、この領域だけは、時間関係なく常に生きている。
白い土作りの大きな建物を臨むと、大きな扉の奥には淡いオレンジ色の光に包まれて室内を行き来する人々が数えきれないほど見えた。

4 Veglia/Nottambulo

静かな通りを独り走る。まず人の気配を探った。
輩が何人いるかも分からないし、昨日のヤツらと同じかもしれないし、また別のヤツかも知れない。
そうなると、昨日よりも強いやつが出てくる可能性だってある。
施設周辺の特に薄暗い細い通路を、できるだけ息を顰めてひた走る。白い壁に行き当たっては、夜の闇に視界を惑わされる。
月明かりは頼り無い三日月の晩、取り敢えず私は、光球であたりを照らした。
すると、目の前に、それでもなお暗いままの闇が現れた。

5 夜舞蝶

夜が来る。必然的に当たり前のように夜は来る。
夜の来ない日はない。夜は、1日と言う物を組成する重要な事象。
家に帰りつき、お風呂を済ませてさぁ寝るぞ、と言う時間。
窓の外を眺めると、夜光街以外の町並みからは灯が消えつつあった。
訪れた夜、形なき闇が人々の意識を奪おうと空から降ってくる。夜はそんなに恐かったのか、これまで知らなかった。
安らぎの時間だと思っていた。
今思う、夜はあるべき恐怖から逃れるために眠りにつく時間なんだと。

6 LuminaSelema

 気が付くと、浅く睡眠の海に溺れていたのか、意識がはっきりしなかった。
こんなところでうっかり寝てしまうとは、何て緊張感がないんだろう。
目を擦って身を起こす。私は石タイルの床の上に一枚の白い布を敷いた上に寝かされていた。
起き上がると右手に丸い泉がある。起き上がってひざまずき、その泉の中を覗き込んだ。
流れのない小さな泉に写し出される私の顔。すごく眠そう。まぶたが腫れぼったい。
目をこしこし擦ってみたけど、すっきりはしない。
あれ? 何だか、手が光っている。
泉に映った私の手は、変な光を帯びていた。
細い帯状の筋みたいな光が腕から生えてゆらゆらと輝いている。
その光が、手首や指先、腕に突き刺さるように絡まっている。何だこれ。こんなの今までに見た事がない。
目の錯角じゃないのかな、と思って実際に腕を見てみた。
光っている、変な光が腕に絡まって、ゆらゆらと揺れている。
よく見たらその光は、腕だけじゃなくて頭以外の全身に生えて絡み付いていた。首、胸、腕に腰、足にも絡み付いている。

7 Feltirita

訪れる、ひとときの安らぎ。
人々のにぎわいのない真昼の草原には、草花が咲き乱れ、蝶達が舞い踊っていた。

8 夜の草原

虫の鳴き声もまばらな、初秋の季節。
ふらふらと歩き回っていると、滞在している街とは逆の方向に向かっていた。
こちら側には来た事がなかったが、きっとまだ見ぬ何かがあるんだろう。
メリルはそう思いながら、街の外に続く長い街道に目をやった。
ふと、街道の向こうに広がる真っ暗闇が気になったメリルは、吸い込まれるようにしてその闇の中を歩き進んで行った。
月明かりに照らされた青白い大地。
ただひたすらその闇を突き進む。
宛がある訳でもないのに、メリルの歩調は止む事がなかった。

9 Vento divino.

ただひたすら闇を切り裂き空を駆け抜けていると、明かりの灯る町並みが眼下に現れ始めた。
今日も民は気付かずに平和な時間を過ごしているのかと思うと、わずかな安堵感が心を晴らした。
まだ街は生き残っている、と。
だが、何もない真っ暗な大地が一部激しく燃え盛っているのを間もなく発見した三人は、言い様のない不安で胸を塗りつぶした。
誰かが大地で交戦している。
急いで大地に降り立った三人は、炎の中心部へと走った。

10 DarkMist. Ibris the Runa.

突然ラーシャはうつむいて、弱々しく言った。
「目を覚まさないのよ、国王様!」
「目を覚まさないって、起きないって事?」
「分からないわ。ある日を境に、眠られたまま目をお覚ましにならないの」
寝顔は、神々しくもどこか生気を感じさせない程静かだった。
何故か胸騒ぎがする。

11 La euforia di allora.

 目玉焼きの真っ白な白身が、きれいだなんて思えてしまう。
 何て事ない白い色。卵が、卵白が熱で温められて白く固まっているだけの事。
そんな当たり前の事が妙に愛おしい。別にとても美味しいわけじゃないけど、幸せな味わいがそこにある。
 目玉焼き。サラダ。スープ。オレンジ。お腹だけじゃなくて心まで満たされる、何て幸せなんだ。
 ちゃんとここに帰って来て、またこうやって朝ご飯食べれるようにしなくちゃ、いや、この日常は必ず戻ってくる。

12 黄昏爽籟

かがり火の灯る街並、賑わう人々、至る所から聞こえる笑い声やさり気ない喧噪と、涼やかな鈴の音。
穏やかに営まれる人々の暮らし。
一歩街の外に踏み出せば、そこはまだ陽の沈みきっていない鮮やかな夕焼けに染められた草原が広がっていた。
これが異境の地、東果倭。たまたま行き着いたこの街はまだ生きていたけれど、話では1つ街が壊滅していると報告があった。
人々の生活を、穏やかな毎日を壊してなるものか。
3人は溶ける太陽を遠く見つめながら心に誓った。

黄昏爽籟 by Una_Nave_ST

オリジナルのストーリーを公開したい、でも絵も描けなければ小説も苦手。
そう思って出来上がったのが、この仮想サウンドトラック「Fatalita Aletta Lotta.1」でした。
一度手焼きでインテックス大阪のイベントでリリースしていますが、そちらは主題歌が矢吹高音さんのボーカルになっています。
その後追加で制作した分はインストでの収録になりました。
当時はまだストーリーもはっきりと決まっておらず、様々なシーンをイメージして作っただけでした。
もう在庫はない状態ですが、いずれ復活したいと思っています。

Composed & Arranged & Design &Produced
Una