第六話 空蝉の幻影
「メリル、メリル」
ささやくような呼び声で目が覚める。起こされることが滅多にないため、何事かと飛び起きた。寝ぼけ眼をこすると、寝巻き姿のマーレがベッドの脇にしゃがんでいた。
そうだ、今日はアカデミアの三日目。二日目も無事に終了し、ついに最終日になった。あれからベッドが空いてるから泊まっていくように言われ、侍女や近侍たちの宿舎にいるんだった。
「やば、時間?」
「いいえ、結構早いです」
「何だびっくりした、寝坊したかと思った」
ぐっと背伸びをしベッドから降りると、準備されていた新しい制服に着替えた。制服は宿舎で洗ってくれるらしい。住み込みはそこそこの人数がおり共同で宿舎で生活している。またその住み込みの宿舎を管理する人たちがいるとのことだった。王城は壮大だ。
着替えを終えると、マーレがこっちと目で合図し手を引いて歩き出した。こんな早起きして何をするんだろう?
「朝ごはん食べなくて動けるの?」
マーレは自信なさそうに目を伏せ、小声ではいと言った。
宿舎の入り口。そこにはイリアと、以前マーレを迎えに来た背の高いお兄さんがいた。なるほど、この三人はそういう関係なんだ。何となく察しがつく。
「おはようございます。新しい仲間となったメリルさんに、朝から一つお伝えしておかねばならない、重要なことがあります」
こんな早朝から重要な事なんて、目が覚めてる時間じゃだめなんだろうか。それに、新しい仲間って……
「とりあえず付いてきてください」
イリアに言われるがまま歩き出す。
向かう先は宿舎とは逆の方向だった。何があるんだろう、お城の敷地内のことは全く何も知らない。みんなもくもくと歩いているのでそれについてく。奇妙な空気だ。
ほどなくして、木に埋もれるように建つ、小さいながらもしっかりしたつくりの施錠された扉のある建物が現れた。物置には見えない。イリアは施錠を外す。何の建物なんだろう。
「アズールさんはここで見張っててください。もし何かあったら連絡を」
どうやら中に入るのは三人らしい。アズールさんは私たちが進み始めると、扉を閉めた。
建物の中にあるのは、さらに扉だった。
「ここは?」
「霊泉への通路です」
霊泉といえば、王城の中心部にある地下の泉で、清らかな気流に満ちた神聖な場所として国民にも知られている。しかしそこに行く事ができるのは国王様とごく限られた一部の人間のみで、一般人は入れないはずだ。
再び扉の鍵を開けたイリアは手にあかりの術を灯すと、すたすたと早歩きで奥に進んで行った。中は緩やかな階段になっており、奥が見えなかった。三つの足音が響いてはこだまする。
「何だ、やっぱり使えるんじゃん、術」
「もともとルイアスの者ではないですから、資格はありませんが術自体は使えます。人目に付くところじゃ使いませんよ」
異国人だったのか。なるほど。どこの国の人なんだろうか。
階段は長く、戻る時のことを考えると憂鬱になるほどだった。やっとの事で一枚の扉に遭遇した。
「何があっても驚かないでくださいね」
イリアはまじめな顔で言うと、振り返って扉を開けた。荘厳な石造りの重そうな扉がゆっくりと押し開かれると、薄暗い光が漏れてきた。どうやら中は何らかの部屋らしい。
もしや霊泉なんだろうか? 意識が研ぎすまされるような、不思議な心地よさを感じる。
イリアによる光でそれなりの明るさになっている部屋。そこにあるのは、思わず身体が凍りつくような衝撃だった。
「国王様……?」
豪奢な刺繍の施されたとても体を休めるためのものとは思えない寝台に横たわる、見覚えのある姿。一瞬昨日のことやイリアの言葉を思い出してどきっとしたが、何故か今日はあそこまでならなかった。
しかし何故こんなところで?
「国王様、お気分はいかがでしょうか?」
イリアが寝台の元にひざまずきそう声をかけると、うっすらと目を開けた国王様はゆっくり起き上がった。
あの、一国の主でもあり儀術者の間でも高名な存在である国王様が、何故? それに昨日お会いした時とは違う、体で感じ取れるほどのものすごい霊力。国王様は体内に宿された力が圧倒的に高いと聞いたことがあるから、それを今実感していることになる。ああ、だからイリアは昨日にせものだ、なんて言ったんだろう。今更理解できた。
「イライアス……」
国王様は非常にけだるそうだった。見るからにどこかお具合が悪そう。だけど、もしご病気なのならこんなところにいらっしゃらずに治療を受けているはずだ。
国王様と遭遇できることなんてほぼない一般人である粗相が出来ない自分は、ただ黙って様子を見てるだけしか出来なかった。
そのうちマーレもしゃがみこんだので、合わせて自分も膝をつく。
「デグラマリア・プロトが海外から帰ってくる前にゼフテが現れています」
デグラマリア? 話のすじからして例のにせものの国王様だろうか。やはりここにいらっしゃるのが本物の国王様である事は間違いないらしい。
「今日は面白い方をお連れしています。メリルさん、彼女はデグラードを無効化する不思議な方です。それだけではありません、僕の銀刀を扱うことが出来ました」
イリアがこちらを振り返る。国王様もゆっくりとこちらを向いた。とても緊張する。
「夜間調査の日にマーレットちゃんが街で遭遇してるんですが、周辺一体デグラードによる変質死体だらけだった場所で、術を受けても身体に影響がなかったようです。無効化するってちょっとどういうことだか分かりませんね」
「メ、メリルです。メリアレイル・リュノー・アルデーシャと申します」
ぎこちないしゃべり方で自己紹介をする。昨日ほどおかしな緊張の仕方はしていない。やはりあれが異常だったんだ。
「このような情けない姿で申し訳ない。私はルイアス国王、イフレースだ」
「メリルさん、分かるでしょう? 昨日の国王様、おかしかったって。現に今こうしてメリルさんは平気。あのにせものの異常さが分かると思います」
「異常さは分かっても、まだ状況が、その」
すっと立ち上がったイリアは、スカートの中から1本の棒を取り出した。銀色の筒状のものに細工が施されており、剣の柄に見える。それを握って目を瞑ると、何と光の刃が現れ、だんだんと透明な水晶のようなものになった。これはあの時私が拾って手渡した剣。
「この剣は、僕以外が持ってもただの柄だけの棒になる特殊な剣です。マーレットちゃん」
渡された剣を受け取るマーレ。するとみるみるうちに刃は空気に溶けて消えてしまった。
「こうなるはずなんですよ」
イリアは再び剣を受け取ると、刃を発生させ、今度はこちらに渡してきた。そっと柄を握る。刃は消えなかった。思わず手品なんじゃないかと突っ込みたくなったけれど、国王様がいらっしゃる手前、無駄口は叩けない。それに、この様子を見た国王様は静かに立ち上がりこちらに、私の近くに、あわわ。
とりあえず剣をイリアに戻す。あまり扱いなれてないから怖いと言うのもあった。
ぎこちなく突っ立っていると、国王様が抱きついてきた。あまりに驚いて動けなくなる。どうしよう、何でこんな状況に!? じっとしていると、ものすごい霊力で身体が包まれていることに気づいた。ああ、どうしよう、気持ち良い……思わず緊張がほぐれて体の力が緩む。
「これならもう安心して話せよう。私は今諸事情によりここから出られなくなっている。軟禁状態なのだ」
混乱しているところですごく重い話が始まった。もうどうしたらいいのか分からない。覚えきれない事があったらあとでイリアに聞き直そう。心を必死に落ち着けようとし、耳に気を集中した。
「二十日ほど前から、気流がおかしくなっている。そのせいで私は体調を崩し、執務を行なえなくなった」
その頃自分はまだ、普通にキッチンで働いていた。特に何かあったような記憶はない、平穏な日々。
「それから数日経ち、さすがに危機感を感じてイライアス達の所属する組織に連絡したところ、時を同じくしてそちらからルイアスの気流に異常が見られるという報告があった。私がこのような状態で動けないため他に頼らざるを得ない。イライアス、マーレット、アズールの三人に調査と対策をお願いしてのだ」
なるほど、異国の組織か、庶民の知らない世界だ。
「調子は一向に良くならず床に臥せっていたが日を追うごとに悪化し、何とかここまで来たが、気づけばここから動けないほどになってしまった。そうしたらだ、私のにせものが現れた。誰も探しに来ないと思ったら探す必要がないのだからな。よっぽど私と似ている、いや同じ容姿なのだろう」
「デグラマリア・プロトと言っているものがそれに当たります。誰かがなりすましたものにしてはすごく精巧にできており、容姿だけでなく声もほぼ同じです。まるで複製ですね」
あまり身近で国王様をまじまじと見る機会なんてないから、自分は外見だけで言うなら本物かどうかの区別をつけるなんて無理だった。しかし今こうして見てみると、全くの複製にすら思えてくる。双子ですらここまで似ないんじゃないかと言うほどだ。
「あ、あの、気流がおかしくなるというのは?」
「気流というものは自然に存在する浮遊元素を大まかに言ったものです。これはメリルさんもご存知かと思います。実はこの浮遊元素が特定の不自然な連なりで存在すると、様々な不和が起こります。その不和が人々の心に作用すると、負の感情が増幅します。僕たちはこの不和を起こす不自然な状態の気流を『負力』と呼んでいます」
難しい話が多すぎて不安になる。気流が人の心に影響を与えるなんて知らなかった。
国王様はそっと私から離れると、力なく再び寝台に横たわった。
「負力が発生する状況はいくつかあり、最も良くあるのが怒りや恐れなどの感情を込めて言葉を発した時です。負の感情を言葉に出して言うと、音声が発された時に同時に負力が発生するんです。けんかすると嫌な気分になるでしょう? それが負力の影響です。他には、負の感情を受けて制作された物自体が発生させたり、人が負の感情を持って死んだ場合だったり、ちょっとした行動でも産まれます」
なぜイリア・国王様曰くイライアスは、こんな事を知ってるんだろう? やっぱり特殊な人物だからだろうか。
「とはいえ、大抵の負力は外に出た時点で大半は気流にまぎれて薄らぎ消えます。ですが、規模が大きくなると抑えられなくなります。戦争などがいい例ですね。欲望が負力を産み、そこからさらに広がり、多くの人々が死に絶望や悲しみが生まれ、どんどん広がっていく訳です」
この話は信用していいんだろうか? 気になるがこの場で話されている事だから嘘や作り話じゃないんだろう。
「僕たちの所属する組織は、負力を感知し、それらを浄化するために動いています。永きにわたって続いている古い組織で、これまでも人々の知らないところで大規模な戦争や災害などを浄化し、正常な状態に戻してきました」
で、その気流がさっき述べられた理由のどれかによってよくない状態になっている、結果国王様がこうなっているって事だろうか?
寝込むほどのおぞましい力かと思うとぞっとする。
「でも、その気流がおかしくなる原因って、思いつかない。ルイアスは火事が起こるまで私からしたら平和だった」
「一応ですが目星は付いています。現在調査を開始して十五日程度、初めは疑わしきを見つけるのに苦労しましたよ。これまでのように戦争が起こっているなどの過去と同じ事例が、全く起こっていなかったからです。大きな街、首都の気流に異常をきたす程度となると、普通は死人が結構出る争いが起こっているはずですが、そんなことなかったんです。見た目は平和そのもの」
「普段なら争いを鎮めて場を浄化するだけで、私たちの仕事は終わります」
「そこで僕たちはイフレース様に言われお城で近侍・侍女として働きながら、城内から街まで調査したんですが、ある一つの事を発見しました。異変が現れたのはこちらにきて二日後、この日にイフレース様のにせものであるデグラマリア・プロトが姿を現しました。それがものすごい負力を発生させていたんです」
「自室に戻っているところでそのにせものと遭遇した。気分が悪くなりその場にうずくまったあとイライアスたちに助けられなかったら、どうなっていただろうか。にせものは私と入れ替わり、私として生活している」
「そこから一気にいろいろ出てきました、国王様のにせもの、次は城内から街の広範囲で活動する謎の集団、そして火事」
あの晩の火事は国王様がこのような状態になってる原因の一つだったというのか。そりゃ具合が悪くなる訳だ。
「そういえばあの火事から街の雰囲気が悪くなったのは分かる、雨も」
「火事がやはり境目でしたね。雨も火事と同様のものです。あれは謎の術式で起こされた霊素組成儀術だったんですから」
何となく話がつながってくる。
「その後謎の集団のアジトを突き詰めたんですが、うっかり最中にへまをしてしまい危険な目にあうところでした。そこでメリルさんに助けられたんですよ。あの時はありがとうございます」
「そうだったんだ。火事や雨を止めること、未然に防ぐことって、無理だったの?」
「謎の集団は僕の調査では結構な規模で、どうもあらかじめ火事や雨を発生させる術陣を敷いていたようで、雨のときは一度破壊することが出来ましたが、先に起こった火事のときは予想できなかったため防げず、発生を止めることは出来ませんでした。僕たちは一応近侍・侍女でしかないので、目立つような行動は取れないのです。例えば術を発生させるなどは資格を持たない状態でいるため、人目につくところでは使えません。肉弾戦は大丈夫なんですが」
「悪さをしているのは集団、その集団を何とかすればいい、私たちの仕事は集団の殲滅作戦になりました。とりあえず奴らを滅すれば、残るはデグラマリアのみになりますから」
マーレはいつもの穏やかな表情をしながらも、そんな物騒な事を言った。すごく違和感がある。
「とまあ、驚いたことに謎の集団を始末していたら、突然プロトが海外に行ったんです。行き先はシャルロットで理由はたいした理由ではなかったはず。そこで本物の国王様が本来の場所に戻れると思うじゃないですか? 何と別のにせものが現れたようで、こっちはさらに濃い負力を発していました。さすがの僕でも近づきたくないほどです」
「また私は本来の状態に戻ることを許されなかったのだ。かれこれ一月近く霊泉に潜んでいるが体は癒えない」
「にせもの二体目ことデグラマリア・ゼフテは、城内に存在こそしたものの、姿は隠していました。国王様は形上では海外におり不在のはずですから。そしてアカデミアですよ。アカデミアは国王様がいない状態で開催が決定されましたがそこはおいといて、突然の国王様の帰還。ええ、あれはプロトではなくゼフテです。プロトはおそらくまだ国外にいる、少なくとも王都にはいません」
「デグラマリアって言うのは……?」
「現時点で分かっているのはイフレース様の瓜二つのにせものであることと、強烈な負力を発生させているということです。どのような原理で作られているかは分かりません。根本的な解決をするためにはデグラマリアの正体を暴く必要があります」
確かに私としても、あの不気味な国王様のにせものは近くにいるだけで具合が悪くなるから何とかして欲しい。
「自分がデグラードの術を受けて平気なのと、デグラマリアで具合が悪くなるのはどういう因果関係が?」
「昨日アカデミアで発表されたデグラードなんですが、火事や雨もそれなんです。既に使われてるんですよ、その危険な儀術。で、それを解析したんですが既存の儀術じゃ起こりえない現象ですから、最初は八方塞でした。でも昨日の発表で一部の謎は解けた、そんな感じですね。とはいえ根本的な部分はまださっぱりです」
「デグラードと、デグラマリア……」
「デグラマリアという名称は、デグラードで作られた人形という意味でつけています。デグラマリア自体が謎の存在なので、デグラードと直接結びついているかは現時点では分かりませんが、僕の予測ではデグラマリアはデグラードで作られています。メソッドは不明ですけどね。負力が大きな共通点になっています」
おかしい、たまたまラーシャとスールスで再会してお城に働きにきただけなのに、どうしてこんなことに?
「というわけでデグラードが効かないメリルさん、あなたは作戦の防衛でも非常に優位な立場にあることになります。僕たちはもしかすると術殺されるかもしれません、その場合、何とか」
「待って、そんなこと言われても私に出来ることなんて、何かあるのかな……?」
「私が懸念しているのは、入れ替わったにせものが国を自由に扱うことだ。万が一国を転覆させるような目的を持ってこのようなことをしているのであれば、非常に危険なことになる」
ああ、いつの間にこんな大変なことに巻き込まれたんだろう? 話がややこしくて頭の整理が付かない。
「このような様でなければ自ら調査に乗り出し、兵を用いて解決することも出来るだろうに、己が身が不甲斐ない」
「デグラードについて発表してた人物はどうなるんですか? 犯罪者ですよね? 何て名前だったかな……」
「国の法では犯罪者だ。投獄も可能、しかし」
「僕たちがたまたま解析して火事や雨がデグラードだと分かっただけで、一般の、僕たち以外の人たちでは気づけない、結びつかないんじゃないでしょうか? それにたとえ発表者が分かったとしても実行犯だと結びつきませんし、実際現場で見かけていません」
「デグラードについて発表していた人物は?」
そう聞くとイライアスは折りたたまれた紙を取り出した。アカデミアの予定表か。
「アルヴェイ・ターナー・クライン、だそうです」
「アルヴェイ?」
国王様が驚いたような声でイリアに問うた。
「儀術政務官の方ですよね? 僕も知っています。つまり」
「彼は技術力も高く、政務官としても有能だ。新技術を開発することに関しては疑問はないが、何故……」
「敵は身近にいたということです」
「しかしアルヴェイ氏が術式を開発したのは確定事項としても、彼をまだ事件現場で見かけていないので、真犯人として結びつけるのは早計です」
「ややこしいな」
「それに政務官ですから、近侍・侍女である僕たちでは近づけない。国王様の地位も奪われた現状、何とかするには骨が折れます」
「とりあえず少しでも負力を薄らげられれば、その、あ……そうか、簡単にデグラマリアって奴を何とかしようとしても、何も知らない人からしたらあれは国王様だから、重罪どころの騒ぎじゃなくなるのか」
「この通り私は弱り果てているし、誰もにせものになっていると気づかない。そのような状態で手にかけたところで、法務官たちに裁かれるのが目に見えている。お前たちをそんな危険な目に合わせるわけにはいかない。儀術者の資格を与えていないのも余計な疑念を持たれないためだ、苦労をかける」
国王様の言葉は悲痛だった。さっきよりも余計にそう感じる。
「そろそろ戻らなくちゃいけませんね、イフレース様、必ずや何とか致します、今はご不便おかけして申し訳ありません」
「不甲斐ないのは私だ、本当にすまない」
国王様に一礼し、私たちは場を去った。霊泉、不思議な場所だった。
一連の事件は国のお偉いさんが開発した術式が使われていて、にせものの国王様が二人いて、ルイアスがおかしなことになっている?
デグラード、そしてそれを無効化する自分。正直なところいまだに説明されたことがはっきりと理解できないでいる。
さて、どうしたものか。長い長い階段を登りながら、聞かされた話をまとめようと思考を練り続けた。